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かぜは、症状の変化に要注意。原因となるウイルスにも、多くの種類があります。かかったときは、休養と睡眠、水分補給が大切です。

監修:岡部 信彦 (前 国立感染症研究所感染症情報センター長)

原因と経過

かぜそのものは、あまり心配しなくてもいいが症状の変化には注意が必要

かぜは専門的には「かぜ症候群」と呼ばれ、いろいろな病因によって起こる上気道の急性カタル性炎症を一括したものです。病因は感染性因子と非感染性因子(寒冷、アレルギーなど)に分けられます。感染によるかぜ症候群の80〜90%はウイルスによるものとされます。かぜ症候群では、病気の原因は異なっていても症状の共通点が多く、経過も急性でおよそ1週間であり、自然に治ることが多く、予後は良好です。

しかし重い病気も最初はかぜのような症状から始まることが珍しくありません。あまり無理をせず、あまり長く症状が続くものや、症状が変化するものについては、注意が必要です。

<かぜのような症状で始まる病気の例>

急性気管支炎
・・強いせきが続き、胸が痛くなる。
肺炎
・・肺の奥までウイルスが入り込んで炎症を起こす。
おたふくかぜ
・・ほっぺたがはれて、耳のうしろが大きくふくらむ。
はしか
・・熱のあと、体じゅうに赤いブツブツが出る。
咽頭結膜炎(プール熱)
・・熱が出て、目が赤くなる。

ウイルスの種類

かぜにいろいろなタイプがあるようにウイルスにも多くの種類がある
かぜのウイルスには非常に多くの種類がありますが、代表的なものについてご説明します。
  • ライノウイルス
    かぜの約半数がこのウイルスを原因として起こります。
  • コロナウイルス
    かぜの15〜20%がこのウイルスを原因として起こります。
  • アデノウイルス
    冬の終わりから春、初夏にも多く分離されます。咽頭結膜熱(プール熱といわれることある)の原因にもなります。
  • パラインフルエンザウイルス、RS
    ウイルス成人では普通のかぜの原因ですが、小児ではクループや細気管支炎を起こすことがあります。新生児や乳児のRSウイルス感染は重症になりやすく要注意です。
  • エンテロウイルス
    夏に流行します。発疹や下痢、髄膜炎や、心膜炎などを起こすこともあります。

かかったとき、守ってほしいこと

  1. あまり無理をしないで休養をとりましょう。特に睡眠を十分にとることが大切です。
  2. 熱が出たら、水分を十分に補給しましょう。お茶、ジュース、スープなど飲みたいもので結構です。
  3. 症状の変化には十分気をつけてください。薬を飲む飲まないにかかわらず、熱が出ているとき、その様子の変化には良く気をつけるようにしてください。

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かぜの予防法

いつも清潔に、体調管理をしっかり

かぜのワクチンはない

かぜのウイルスには多くの種類があり、またそれぞれのウイルスは、時がたつにつれ少しずつ変化するため、有効なワクチンはまだ開発されていません。

衛生状態をよくする

衛生面に気をつけることが最も基本的な予防法になります。かぜのウイルスは感染した人から出た唾液などの分泌物に触れることで広がることもあります。外出から帰ったら、手を洗いましょう。

手洗いについて

手を洗うことは感染症の予防の第一歩です。
手の洗い方はアメリカ疾病対策センター(CDC)が推奨している方法をご紹介しますので、参考にしてください。

洗い方

  • 手をぬらし、液状、固型、または粉の石鹸を手につけます。
  • 両手をしっかりとこすり合わせ、石鹸を泡立て、その泡で手のすみずみまで残さずに洗ってください。
  • 微生物を取り除くには20秒間以上洗う必要があります。「ハッピーバースディ」の歌を2回歌うと、ちょうどそれくらいの時間になります。
  • 流水で手をよくすすぎます。
  • ペーパータオルか、ドライヤーで手を乾かします。
  • 蛇口を閉めて水を止めます。このとき、できれば使い終わったペーパータオルを使って蛇口を閉めてください。
    *手を洗えないときは、アルコール入りのウェットティッシュか、ジェルを使ってください。

うがいについて

手を洗ったら、つぎはうがいです。うがいは、口の中や、のどについた微生物を取り除くため、そして口の中を清浄にすることによって一定の効果があると考えられます。

うがいのしかた

  • 口に水を含み、そのまま口の中で強めに「クチュクチュ」として、はき出します。
  • 口に水を含み、上を向いて15秒くらい、なるべく、のどの奥まで水が入るように「ガラガラ」として、はき出します。
  • もう一度口に水を含み、上を向いて「ガラガラ」をくり返します。

できるだけ人ごみを避ける

人の咳(せき)、くしゃみ、つばなどの飛沫と共に放出されたウイルスを、鼻腔や気管など気道に吸入するのを防ぐため、かぜが流行してきたら、特に高齢者や慢性疾患を持っている人、疲れていたり睡眠不足で調子が良くない人は、人ごみや繁華街への外出を控えましょう。

休養と食事

十分に休養をとり、体力や抵抗力を高め、常日ごろからバランスよく食事をとることも大切です。

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監修者紹介

岡部 信彦(前 国立感染症研究所感染症情報センター長)
1971年東京慈恵会医科大学卒業。同大学小児科で研修後、帝京大学小児科助手、その後慈恵医大小児科助手。国立小児病院感染科、神奈川県衛生看護専門学校付属病院小児科などに勤務。1991年〜1994年、世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局(フィリピン・マニラ市)伝染病疾患予防対策課課長。1994-1997年慈恵医大小児科助教授。1997年国立感染症研究所感染症情報センター・室長。2000年、同研究所感染症情報センター長。2012年、川崎市衛生研究所所長。

岡部 信彦先生

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