インフルエンザ・パンデミックとは?このページを印刷する

新型インフルエンザやパンデミックが発生する過程を解説します。

監修:岡部 信彦 (前 国立感染症研究所感染症情報センター長)

※当コンテンツの内容は2009年3月までにご監修いただいたものです。
新型インフルエンザの最新情報につきましては、国立感染症研究所または厚生労働省のウェブサイトをご覧下さい。

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新型インフルエンザ・パンデミックとは?

パンデミックって何?

鳥インフルエンザがヒトに感染することは、滅多にありません。しかし鳥インフルエンザウイルスが、ウイルスの遺伝子の変異などによりヒトに感染しやすいタイプに姿を変え、ヒトからヒトへと効率よく感染する能力を持ったとき、「新型インフルエンザウイルス」の登場となります。これらのウイルスによる新型となったインフルエンザの大流行が心配されています。地球規模で大流行する病気、それを「パンデミック」と呼びます。

新型インフルエンザが発生するまで

ヒトからヒトへ感染する、新型インフルエンザウイルスの発生に至るまでには、図のような4つの段階があります。
これらの変化は、鳥インフルエンザウイルスの遺伝子が変異を起こしたり、ヒトのインフルエンザウイルスとの間で遺伝子の組み換えを起こしたりすることにより、起こると考えられています。

鳥インフルエンザと新型インフルエンザの関係

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鳥インフルエンザがヒトに感染する

鳥インフルエンザ「H5N1亜型(あがた)」とは?

日本でもニワトリの間に鳥インフルエンザが発生し、多くのニワトリが処分されたり、防護服を着た人たちが地域を徹底的に消毒したりしたのは記憶に新しいところです。アジアを中心に広がっているこの鳥インフルエンザを起こしているのは「高病原性H5N1亜型」というウイルスです。

本来、鳥インフルエンザは、ヒトへは感染しないと考えられていました。しかし、H5N1亜型の鳥インフルエンザが大流行の中、感染し発病した鳥との無防備で濃厚な接触があれば、稀ながらヒトへの感染が起こりうることが示されています。

2003年から2009年3月23日までに、世界でH5N1亜型鳥インフルエンザにかかったヒトの感染数は412例で、そのうちの256例が死亡しており、死亡率がおよそ62%という、重症疾患となっています。この鳥インフルエンザウイルスのヒト感染例は、ベトナム、タイ、カンボジア、インドネシア、中国など15カ国から、WHOに報告されています。

ヒト感染の引き金はウイルスの「変異」

鳥インフルエンザがヒトに感染することが稀にあることはわかりましたが、これがただちに大規模なパンデミック(地球規模での大流行)に結びつくわけではありません。目下のところ鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染するのは偶発的な状況のものですが、鳥インフルエンザウイルスが、ウイルスの遺伝子の変異などによりヒトに感染しやすいタイプに姿を変え、ヒトからヒトへと効率よく感染する能力を持つと、ヒトの間で流行が拡がりやすくなり、パンデミックとなる可能性がでてきます。

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鳥インフルエンザがヒトに感染する

パンデミックを起こすウイルスはどれ?

もし病原性の高いH5N1亜型の鳥インフルエンザが新型インフルエンザに変化すれば、大きな健康被害と社会の混乱が予想されます。
ではパンデミックを起こすのはH5N1亜型インフルエンザなのでしょうか?
もちろん、その可能性は大いに考える必要があります。しかし、これまでの歴史上、高病原性鳥インフルエンザウイルスがヒト世界に侵入してパンデミックを起こしたという経験はありません。いままでヒトの間でパンデミックを起こしたのは、低病原性鳥インフルエンザがその起源と考えられている、H1N1、H2N2、H3N2だけなのです。

ヒト世界に侵入しようとしている新たなウイルスも

H5N1亜型がヒト世界に侵入した形跡はこれまでにないため、現在警戒されている高病原性鳥インフルエンザ(H5N1亜型)からパンデミックが発生することはないのではないかという意見もあります。
最近H7N2などのH7型ウイルスが、パンデミックを起こすのではないかという論文も発表されており、候補がたったひとつに絞られているわけではありません。

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監修者紹介

岡部 信彦(前 国立感染症研究所感染症情報センター長)
1971年東京慈恵会医科大学卒業。同大学小児科で研修後、帝京大学小児科助手、その後慈恵医大小児科助手。国立小児病院感染科医員、神奈川県衛生看護専門学校付属病院小児科部長。1991年〜1994年、世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局(フィリピン・マニラ市)伝染病疾患予防対策課課長。1994-1997年慈恵医大小児科助教授。1997年国立感染症研究所感染症情報センター・室長。2000年、同研究所感染症情報センター長。2012年、川崎市衛生研究所所長。

岡部 信彦先生

岡部先生からのメッセージ

新型インフルエンザは、近い将来、かならず出現すると考えられています。人類が経験したことのないインフルエンザウイルスに会えば、だれも免疫による抵抗力を持っていないため、地球上の広い範囲で大流行し、大きな被害をもたらすおそれがあります。このような状態をインフルエンザ・パンデミックといいます。
インフルエンザ・パンデミックによる被害を最小限にするためには、国や自治体による対策を進めるほか、事業所や個人による感染予防対策、感染した人への適切な対応がとても大切になります。そのためにも、新型インフルエンザについての基本的な知識を身につけていただきたいと考えています。

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