増え続ける「うつ」このページを印刷する

いま増え続けている「うつ」って、どんな病気なのでしょうか。

監修:内山真(日本大学医学部精神医学系教授)

うつ人口は100万人を超えている。

患者数は9年前の2.4倍に

厚生労働省の調査によると、うつ病や躁うつ病などの気分障害で受診する人は、2008年には100万人を超え、9年前の調査時と比較して2.4倍に増えていることが分かりました。躁うつ病の割合は非常に少ないので、うつ病患者だけでも100万人を超えていることは間違いないそうです。うつ病は、とくに日本ではかなり悪化してからでないと受診しない傾向もあるため、実際の患者数は、もっと多い可能性があります。また女性の患者は男性の1.7倍と多くなっています。年齢別では男性が30〜50歳代で多いのに対し、女性では60〜70歳代で最も多くなっています。

うつ病・躁うつ病の総患者数

うつの病態

「気分障害」のほとんどは「うつ病」

気分障害は、長い期間にわたり過度のゆううつ感、過度の爽快感などが続く感情障害です。一般的にはゆううつ感と爽快感の両方が繰り返す「双極性障害」(躁うつ病)と、ゆううつ感だけが持続する「うつ病」がそれにあたります。躁うつ病は少なく、大多数はうつ病で占められています。

気づかれにくいが、つらい症状

うつ病は、気分が沈んだり、何事にも興味が持てないような状態が続く病気で、だれにでも起こる可能性があります。まわりの人には気づかれにくい病気ですが、本人にはつらい症状をともない、長期化すると仕事を続けられなくなったり、自殺の原因になることもあります。
親しい人が死んだり、引越し、出産、人とのトラブル、病気などがきっかけで起こることもありますが、とくにきっかけのない場合もあります。

うつ病の代表的な症状

  • よく眠ったのに、朝起きたとき疲れが取れていない。
  • 早朝に目が覚めて、その後はうつらうつらしている。
  • 目が覚めているのに、だるくて床から出られない。
  • 昼間は気分がすぐれず、何ごとも楽しめない。
  • 食欲がない。
  • 集中できない。

うつを見抜く

まじめな、がんばるタイプは、なりやすい

どのような性格の人でも発症する可能性はありますが、まじめで責任感が強く、がんばるタイプに多い傾向があります。他人のせいにせず、自分ひとりで解決しようとする人は、ストレスをため込みやすいからだといわれています。このような人は、弱音を吐かず、つらくても表に出さないことが多いため、なかなか他人からは病気がわかりません。しかし、だからこそまわりの人が気づいてあげる必要があるともいえるのです。

睡眠障害は重要な「うつ」のサイン

不眠は、うつ病の必発症状だといわれます。とくに多いのは、朝早く目覚めてしまい、そのあと眠れない「早朝覚醒」です。朝までうつらうつらして疲れがとれず、昼間に気持ちの落ち込みやだるさが続くようなら、専門医に診断してもらう必要があります。
しかし、最近みられる軽症うつ病や初期のうつ病の場合、寝つきが悪い、何回も目覚めるなど、いろいろなタイプの睡眠障害がともないます。とくに若い人たちに夜型生活をする人が増加するなかで、体内時計の変調による睡眠障害がある人のうつ病が注目されています。

監修者紹介

内山 真(日本大学医学部精神医学系教授)
1954年、横浜生まれ。1980年、東北大学医学部卒業。 1991年、国立精神・神経センター精神保健研究所。1992年、ドイツ ヘファタ神経学病院睡眠障害研究施設に留学。2006年より現職。

内山先生からのメッセージ

近年増加しているうつ病は、睡眠障害をともなうことが多く、体内時計とも深く関係していることがわかっています。体温は睡眠と同じように体内時計のコントロールを受けており、うつ病の研究には欠かせない要素となっています。
うつ病は生活リズムをよくすることで、ある程度予防できます。うつ病に備える生活習慣を身につけて心身の健康に役立てていただければ幸いです。

内山 真先生

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