正しい睡眠と体温リズムで「うつ」を予防このページを印刷する

概日リズム睡眠障害による「うつ」にならないために。

監修:内山真(日本大学医学部精神医学系教授)

寝る前にリラックスする方法

音楽とお風呂の楽しみ方

睡眠障害にならないためには、早寝・早起きをして朝日をしっかり浴びることが大切です。よい眠りを得るためには寝る前にリラックスする方法を工夫してください。
静かなクラシック音楽を聴くという人もいます。若い人のなかには、曲調の変化が少ない、リズムが一定のロックがいいという人もいます。自分がいちばんリラックスできる音楽ならいいのだと思います。

寝る直前に熱いお風呂に入ると、かえって目がさめて寝つきが悪くなることがあります。寝つきをよくするには、ちょっとだるくなるような40℃前後のぬるめのお湯がおすすめです。

また「早く寝なければ」とあせらず、眠くなってから床に就いたほうがよく眠れるものです。

早起きが早寝を実現させる

朝日を浴びてから14〜16時間で眠くなる

早寝を実現するには、発想を転換して、まず「早起き」から始めることが大切です。
不眠の人の場合、早起きするのは大変ですが、そこをなんとか踏ん張って、少しずつでも早く起きるようにします。体内時計には、起きて朝の光を感じた時刻から14〜16時間くらいで眠くなるようなプログラムが組み込まれています。したがって、早起きをすれば、自然に寝付きも安定してくるのです。

朝の光で体内時計を正常化

若いうちは積極的に朝日にあたる

仕事や勉強の都合で、早く眠れない日もあると思います。しかし眠る時間が遅くなったとしても、翌朝はがんばって早起きします。このとき、できれば日光を部屋に採り入れて浴びるようにします。多少の無理をしてでも、一定の時間に起きて日光を浴びると、体内時計の働きで、だんだん寝付きが良くなってくるものです。

ただ年をとると体内時計のサイクルが少し変わってきて、早い時間から眠くなったり、朝早く目が覚めたりという形がでてきます。そういう人は、むしろ早く日光を浴びすぎないように注意します。ただ、家の中の光くらいなら、あまり気にする必要はありません。

適度な運動を取り入れる

毎日できる運動を

運動をすると、熟睡感が高まるという効果があります。たまに激しい運動をするより、運動を習慣づけることのほうが大切です。そのためには、毎日の生活の中で、午後または夕方にできる軽い運動がいいでしょう。

  • 会社の帰りに、ひとつ前のバス停で降りて歩く。
  • 買い物を車でせず、徒歩か自転車でする。
  • しまい込んでいたトレーニング機器にもう一度トライする。
  • ストレッチを始めてみる。

時差ぼけとうつ

太陽の光を活用して対策を

概日リズム睡眠障害は、夜勤(交代勤務性睡眠障害)や、航空機などによる時差がある地域への急速な移動(時差症候群)でも起こることがあり、しばしばうつ状態のような心身の不調を引き起こします。これは体内時計の昼と夜のリズムが、ジェット機での移動で到着地の昼と夜に合わなくなるためです。着いた場所の夜が日本の昼間の時間帯にあたると、ぐっすり眠れなくなります。逆に昼間には眠気が出てきます。時差ぼけを早く解消して体を順応させるには、次のような対策があります。

  • 日本の時間から考えて、早寝をしなければならないときは、日本時間の午前中の時間帯に光を浴びるようにします。
  • 日本の時間から考えて、遅寝をしなければならないときは、日本時間の夕方から夜の時間帯に光を浴びるようにします。
  • 時差ぼけは、年をとるほど起こりやすくなるので、中年以降の人は、ゆとりをもった旅行のスケジュールが大切です。

監修者紹介

内山 真(日本大学医学部精神医学系教授)
1954年、横浜生まれ。1980年、東北大学医学部卒業。 1991年、国立精神・神経センター精神保健研究所。1992年、ドイツ ヘファタ神経学病院睡眠障害研究施設に留学。2006年より現職。

内山先生からのメッセージ

近年増加しているうつ病は、睡眠障害をともなうことが多く、体内時計とも深く関係していることがわかっています。体温は睡眠と同じように体内時計のコントロールを受けており、うつ病の研究には欠かせない要素となっています。
うつ病は生活リズムをよくすることで、ある程度予防できます。うつ病に備える生活習慣を身につけて心身の健康に役立てていただければ幸いです。

内山 真先生

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