冷え性対策 「住」編このページを印刷する

オフィスや家庭で注意したい室温管理。「外気温との差」には気をつけましょう。

監修:渡邉賀子(麻布ミューズクリニック院長・医学博士)

夏の冷やしすぎが冷え性を招く。

夏と冬では快適に感じる温度がちがう

日本は季節の変化が豊かな国で、日本人は春夏秋冬の変化に適応して暮らしてきました。日本人の基礎代謝量は、冬季に増加して夏季に減少し、その変動の幅は約10%といわれています。また温度に対する感覚も季節とともに変化し、快適さを感じる気温は夏に高く、冬に低くなり、その差は約3℃あるとされています。*このように、本来、日本人は季節による気温変化への適応能力を備えているのです。  しかし、現代の日本では冷暖房の普及により季節による室温の変化が少なくなったため、四季の温度変化に対するこれらの適応能力が低下しているともいわれています。  その一方で、過剰な冷暖房などで一日における室内と屋外の気温差が大きくなり、ときには20℃近いこともあるほど。  特に夏場の冷房による冷え症は現代病的な側面が大きく、近年、女性を中心に増加しています。
*中山昭雄(編):温熱生理学,理工学社,1981

室内外の温度差は7℃以内に。

快適に感じる温度には男女差がある

一般的に女性が快適に感じる温度は、男性よりも約3℃高いことが知られています。とくに夏場は、薄着の女性に対し、男性は長そでのスーツにネクタイといった服装のちがいも加わり、快適に感じる温度の男女差は、ますます拡大してしまいます。このため、暑がりの男性が室温を調節すると、寒がりの女性は、震えていなければならないことになりがち。しかも制服が決められていると、服装で調節するのも限界があります。

温度変化が大きいと自律神経の負担に

一日の中で室内と屋外の出入りが多く、そのたびに大きな温度差にさらされていると、本来は体温の微調整としての血流調節を担っている自律神経系への負担が大きくなってバランスを崩し、冷え性の原因になってしまいます。
このような過剰な冷暖房から起こる問題を少なくするには、クールビズやウォームビズなどを実践して、室内と屋外の温度差を7℃以内にし、皮膚血管運動による体温調節が可能な範囲にとどめるのが望ましい*と考えられます。

*中山昭雄(編):温熱生理学,理工学社,1981

自宅では頭寒足熱と湿度調節を心がけて。

結構使える除湿モード

オフィスでは、ある程度のがまんも必要でしょうが、せめて自宅では、しっかりと冷え性を防ぐ環境管理をしましょう。梅雨時の蒸し暑さは、冷房でなく除湿モードでも不快感はかなり軽減されます。また本格的な夏に入っても、猛暑日ばかりとは限りません。ときには、除湿にして扇風機を利用したり、おやすみモードを使うのも良いでしょう。
冬場のエアコン暖房は、どうしても顔が暑いわりには足元が寒く乾燥しやすいという傾向がありますから、こたつや床暖房などを活用し、いわゆる「頭寒足熱」がおすすめ。また、かぜ予防の観点からも加湿器による適度な湿度の調節を心がけてください。

監修者紹介

渡邉 賀子(麻布ミューズクリニック院長・医学博士)
久留米大学医学部卒業。熊本大学第三内科に入局。1997年、北里研究所にて日本初の「冷え症外来」を開設。2003年、慶應義塾大学病院漢方クリニックにて、女性専門外来「漢方女性抗加齢外来」を開設。現在も引き続き担当している。慶應義塾大学医学部漢方医学センター非常勤講師。漢方専門医・日本東洋医学会指導医。

渡邉先生からのメッセージ

「冷え性」は西洋医学では病気と考えられていませんが、実際には冷え症状のために日常生活に支障をきたしている人も多いのです。
寒い季節だけでなく、夏の冷房でも「冷え」を感じることはあり、季節を問わず悩んでいる人も多いと思いますが、実はちょっとした生活習慣や環境の改善で、軽くすることもできるのです。

渡邉 賀子先生

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