乳幼児の体温の特徴このページを印刷する

乳幼児の体温のどこが、おとなの体温と違うのでしょうか。

監修:巷野悟郎(こどもの城小児保健クリニック)

乳幼児の体温

生まれてすぐは高く、だんだん落ち着いていく体温

児童福祉法では乳児は生後すぐから満1歳に満たない者、幼児は満1歳から小学校入学までとしています。乳幼児期の体温は、おとなと同じなのでしょうか?違うのでしょうか?
この表は、乳幼児から中学生までの健康な小児の体温のデータです。これを見ると、乳幼児の体温は生まれて1ヵ月くらいは高めで、時間帯にもよりますが、3〜4歳児と比べ0.3〜0.5℃程度高くなっています。3〜4ヵ月以降は少しずつ下がっていきます。

健康小児の腋窩温  平均値±標準偏差(10分間測定)

赤字:生まれてすぐは高い。

    月年齢 個数
(人)
起床前 昼食前
(10〜20時)
午後
(4〜6時)
就床前 日差



4-5日
1か月

3-4か月
6か月
1-2歳
3-4歳
5-6歳
28
58

40
69
124
123
187
36.67±0.30
36.68±0.25

36.35±0.34
36.28±0.34
36.11±0.45
36.13±0.32
36.20±0.38
36.70±0.29
36.62±0.27

36.47±0.35
36.43±0.39
36.45±0.37
36.40±0.38
36.49±0.37
36.78±0.28
36.72±0.27

36.38±0.42
36.42±0.39
36.51±0.34
36.47±0.38
36.57±0.34
36.71±0.26
36.72±0.23

36.40±0.46
36.40±0.39
36.34±0.43
36.30±0.39
36.37±0.37
0.11
0.10

0.12
0.15
0.40
0.34
0.37


1年
2年
3年
4年
5年
6年
299
320
347
336
335
307
36.25±0.34
36.23±0.32
36.26±0.37
36.27±0.35
36.30±0.35
36.26±0.36
36.67±0.46
36.65±0.36
36.60±0.41
36.60±0.37
36.53±0.39
36.40±0.35
36.52±0.37
36.58±0.39
36.53±0.41
36.55±0.38
36.54±0.38
36.50±0.39
36.31±0.37
36.32±0.36
36.32±0.39
36.33±0.35
36.36±0.40
36.34±0.34
0.42
0.42
0.34
0.33
0.24
0.24


1年
2年
3年
486
500
438
36.24±0.34
36.23±0.35
36.24±0.32
36.43±0.38
36.46±0.38
36.41±0.39
36.55±0.40
36.63±0.33
36.53±0.35
36.31±0.35
36.33±0.37
36.32±0.33
0.31
0.40
0.29
    月年齢 個数
(人)
起床前 昼食前
(10〜20時)
午後
(4〜6時)
就床前 日差



4-5日
1か月
3-4か月
6か月
1-2歳
3-4歳
5-6歳
26
81
51
114
112
115
186
36.68±0.28
36.66±0.28
36.40±0.37
36.27±0.38
36.10±0.42
36.10±0.43
36.19±0.38
36.70±0.23
36.64±0.27
36.46±0.36
36.45±0.34
36.42±0.40
36.43±0.36
36.47±0.39
36.76±0.27
36.79±0.24
36.38±0.40
36.40±0.35
36.45±0.41
36.57±0.34
36.51±0.35
36.71±0.25
36.78±0.26
36.42±0.40
36.45±0.33
36.29±0.38
36.28±0.41
36.31±0.40
0.08
0.15
0.08
0.18
0.35
0.47
0.32


1年
2年
3年
4年
5年
6年
289
327
298
335
300
305
36.23±0.35
36.19±0.37
36.21±0.42
36.27±0.36
36.25±0.34
36.29±0.34
36.63±0.44
36.55±0.40
36.45±0.42
36.43±0.45
36.45±0.36
36.50±0.39
36.46±0.38
36.50±0.39
36.42±0.42
36.46±0.37
36.47±0.33
36.49±0.38
36.31±0.36
36.28±0.36
36.26±0.39
36.28±0.36
36.30±0.36
36.36±0.34
0.40
0.36
0.24
0.19
0.22
0.21


1年
2年
3年
402
418
388
36.24±0.34
36.21±0.39
36.22±0.35
36.31±0.30
36.30±0.43
36.30±0.41
36.50±0.38
36.49±0.41
36.47±0.43
36.26±0.37
36.30±0.39
36.21±0.39
0.26
0.28
0.26

(巷野ほか,健康小児の体温の研究,厚生省小児保健環境研究班,1979)

環境で左右されやすい乳幼児の体温

熱を失いやすい

乳幼児はおとなに比べ、体が小さい割には体表面積が大きく、また皮下脂肪が少ないため皮膚から熱が逃げやすいという性質を持っています。新生児期は寒さにあてないように注意する必要があります。とくに小さく生まれた新生児では適正な環境温に保温する必要があります。

特に小さく生まれた新生児の体重による適した環境温度

ここでいう「環境温」とは、赤ちゃんの体そのものを取り巻く温度のことで、赤ちゃんに布団を掛けていればその布団の中の温度を指します。赤ちゃんが裸でいる場合は、室温が環境温になります。

熱がこもりやすい

寒さにあてないよう注意すればいいかというと、そうではありません。乳幼児は体重あたりの食事摂取量が成人より多く、幼児期では運動量も多くなってくるため、体がつくる熱の量が多くなります。したがって首の周りや背中に汗をかいてないか気をつけてあげましょう。

温めすぎも原因---SIDS(乳幼児突然死)とうつ伏せ寝

SIDSを防ぐ手がかり

乳幼児の呼吸が、ある日突然止まってしまうSIDS。親の悲しみはどれほどでしょう。起こりやすいのは新生児期から6ヵ月ころまでで、生後3〜4ヵ月ころに山があると報告されています。その原因は不明ですが、SIDSが起こったときの状況には、いくつかの共通点がありますから、それを手がかりに予防法を考えてみましょう。

SIDS死亡の状況に多い共通点

  • 「うつぶせ」で寝かせられている。
  • 厚着、温めすぎている。
  • 「人工栄養」で育てられている。

考えられる予防法

  • 「あお向け」で寝かせる。
  • 薄着にして温めすぎない。
  • なるべく「母乳栄養」で育てる。

*このほか、保護者等の習慣的喫煙が影響するともいわれます。

なぜ「あお向け寝」がいいのか?

これはひとつの考えかたですが、うつぶせ寝、人工栄養は、いずれも赤ちゃんがラクに呼吸できる形になります。また暖かいのも、お母さんの体の中で守られていたときと同じように、安楽に眠れる形です。
これに対してあお向け寝は、呼吸に強い力を必要とします。母乳を飲むのも、哺乳びんとは比較にならないほど吸う力が必要です。また薄着で体温より少し低い環境にいると、緊張をうながす交感神経の出番が増えて、呼吸力を強くしてくれるとも考えられます。
SIDSの原因は不明とされていますので、このような単純なことではないかもしれませんが、強い子を育てる育児という観点からの、このような考え方もあるようです。

監修者紹介

巷野悟郎(こどもの城小児保健クリニック)
1944年東京大学医学部卒業。東大小児科、都立駒込病院小児科医長・副院長、都立府中病院長、東京家政大学教授、聖徳大学児童学科教授、(社)日本小児保健協会会長、こどもの城小児保健クリニック院長を経て現職。

巷野先生からのメッセージ

小児、とくに乳幼児の体温調節の仕組みは、おとなと比べて未完成なところが多く、体温の状態には注意してあげる必要があります。しかし、とにかく大事に暖かくしてあげればいいかというと、そうともいえません。乳幼児期は、呼吸機能をはじめ、体を鍛えて強くしなければならない時期にもあたるからです。
乳幼児期に特徴的な体温の性質を知ったうえで、強く、元気な子育てに生かしていただきたいと思います。

巷野悟郎先生

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