乳幼児の正常体温このページを印刷する

正常な体温と「発熱」。その境い目がどこにあるのか、気になりますね。

監修:巷野悟郎(こどもの城小児保健クリニック)

体温だけにとらわれないで

感染症法で「発熱」は37.5℃以上

インフルエンザやかぜなどの感染症にかかると、子どもはたいてい熱を出します。感染症法では「発熱」は37.5℃以上、「高熱」は38℃以上と決められています。育児経験の少ないお母さんで、「熱は何度までなら大丈夫?」と心配する方がいますが、一概には言えないところがあります。39℃以上の熱があっても心配ないこともあれば、38℃くらいの熱でも慎重な対処が必要なことはあるのです。 感染症法の分類

機嫌がいいかどうかも大切

熱が出たとか、下痢を起こしたとか、部分的な症状も大切な指標ですが、小児科医は、その児の機嫌がいいかどうかに注目します。とくに2歳くらいまでの幼児は、ガマンできずにストレートな感情を出してくれるので、機嫌がよければ、熱があっても、水のような便が出ても、それほど心配はしないのです。逆に機嫌が悪いとか、意識がもうろうとしていたら、いちはやく原因を特定して適切な治療をすることを考えます。

「機嫌がいい」とは?

笑う、元気にしている、よく遊び、よく食べる‥。これも確かに機嫌がいい状態ですが、それだけではありません。こちらから何か話しかけて、それに普段どおりの、その年齢なりの素直な反応が返ってくれば、とくに笑顔でなくても「機嫌がいい」と判断します。機嫌がいいかどうか分からないときは、何か働きかけてみると分かることがあるのです。

平熱を測っておく

1日4つの時間帯の平熱をはかりましょう

はじめに掲げた小児の体温を調べた表は、あくまでもたくさんの子どもの平均ですから、あなたのお子さんの体温を判断する基準にはなりません。それは、体温は一人ひとり違うからです。
お子さんが健康なときの体温をはかっておきましょう。朝起きたとき・昼頃・夕方・寝る前の4回。
これを母子健康手帳に書いておくと、予防接種を受けるときや、少し熱があるときなどの参考になります。

変動しやすい乳幼児の体温

いままで説明してきましたように、乳幼児は体が小さかったり、皮下脂肪が少なかったりするため周囲の温度の影響を受けやすく、また体温調節機能が未熟であるため、ちょっとしたことで体温が上下します。厳密に平熱を測ったりすると、つい熱ばかりに目を奪われるかもしれませんが、「子どもの体温は変わりやすいものだ」ということをしっかりと自覚して、機嫌や全体の様子などを優先して判断するようにしましょう。

時間帯ごとの平熱について

1日4回体温を測り、時間帯ごとの平熱としておぼえておきましょう。

  1. 起床時
  2. 昼頃(または午前中)
  3. 夕方(または午後)
  4. (寝る前)
  • 食後すぐは体温が上がりますから、食前や食間に検温するのが適切です。
  • 平熱の測定は1日だけでなく、日を置いて何回か測ってみましょう。

監修者紹介

巷野悟郎(こどもの城小児保健クリニック)
1944年東京大学医学部卒業。東大小児科、都立駒込病院小児科医長・副院長、都立府中病院長、東京家政大学教授、聖徳大学児童学科教授、(社)日本小児保健協会会長、こどもの城小児保健クリニック院長を経て現職。

巷野先生からのメッセージ

小児、とくに乳幼児の体温調節の仕組みは、おとなと比べて未完成なところが多く、体温の状態には注意してあげる必要があります。しかし、とにかく大事に暖かくしてあげればいいかというと、そうともいえません。乳幼児期は、呼吸機能をはじめ、体を鍛えて強くしなければならない時期にもあたるからです。
乳幼児期に特徴的な体温の性質を知ったうえで、強く、元気な子育てに生かしていただきたいと思います。

巷野悟郎先生

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