高齢になったら、平熱を測りなおしましょうこのページを印刷する

加齢にともない低下するヒトの体温。原因はどこにあるのでしょうか。

監修:入來 正躬(山梨大学名誉教授)

年をとると下がってくる体温

高齢者の体温は若い人より約0.2℃低い

50歳以下の人と65歳以上の高齢者のワキ下(腋窩)温を測ると、高齢者では棒グラフの山が左側、つまり低いほうへずれています。具体的には50歳以下の平均が36.89±0.34℃なのに対し、高齢者では36.66±0.42℃であり、高齢者は50歳以下より0.2℃以上低くなっています。

年を重ねるごとに変動する平熱

ヒトの体温(腋窩温)は乳幼児では平均37℃台と高いのですが、年を経過するごとに少しずつ下がり続け、10歳くらいで一定の値に落ち着きます。しかし、その後高齢になると再び低下してきます。
ですから、若いころの平熱をずっと覚えていても、現在の自分の平熱とは違っている可能性があります。
ときどき、体調のいいときに体温を測り、自分の平熱を確認しておきましょう。

グラフ:成人と高齢者の腋窩温の比較

老化で身体機能が低下

加齢とともに生理機能は衰え、バランスも変わる

では加齢にともなう体温の低下は、なぜ起こるのでしょう?直接的な原因ははっきりしていませんが、年をとると運動機能や身体の生理機能が衰えてくることと関係があるのだと考えられています。
30歳以降の生理的な機能の低下をみてみると、その低下の速さは一定ではなく、機能ごとに異なっています。つまり若いころより低下しているだけでなく、生理機能のバランスも変わるのです。
こういった生理機能の衰えが、体温を調節する機能の低下にも結びついているのだと考えられます。

グラフ:30歳以降の老化にともなう生理機能の変化

監修者紹介

入來 正躬(山梨大学名誉教授)
1960年東京大学医学部大学院修了。フンボルト奨学生としてドイツ・マックスブランク心臓研究所に留学。山梨医科大学生理学教授、山梨県環境科学研究所長を経て、ひかりの里クリニック理事長・院長。

入來先生からのメッセージ

人は高齢になると、若かったころと比べて、いろいろな機能が衰えてきます。しかもその機能の衰えは一様ではなく、たとえば神経伝達速度の衰えは90歳でも10%程度しか低下しないのに対し、腎臓の機能は半分にまで低下します。
高齢者は、単なる「衰えた成人」ではなく、機能条件の変化にたくみに対応し、それなりに「健康に」生きている存在といえます。
体温調節においても、高齢者には普通の成人とはかなり異なった面があります。高齢者が健康な形で日常を過ごすために、その体温に関する知識を有効に活用していただければ幸いです。

入來 正躬先生

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