心因性発熱と診断されたらこのページを印刷する

日常生活の心がまえと過ごしかた

監修:岡孝和(九州大学大学院医学研究院 心身医学 准教授)

病気になったときの日常生活の過ごし方

日常生活のペースダウンと睡眠の確保が大切

かぜで熱が出ると、体が疲れますね。ストレス性であっても、高体温が続くということは、生体が体温を上げるために普段より多くのエネルギーを使っていることを意味します。ですから、いつもなら何でもないことが、体にとっては大きな負担となりうることを理解しておいてください。 心因性発熱が続いている時期の生活上の注意点としては、日常生活のペースダウンと、睡眠時間を充分確保することが何よりも大切です。と書けば簡単なことの様ですが、この病気の治療は、ここが一番のポイントです。かぜを引いて熱が出たときには安静にするのが大切とわかっていても、ストレス性の発熱の場合、熱がありながらも残業を続けて発熱がずるずると続いている人があまりにも多いのです。具体的には、微熱が続いている間は、つぎのことを守ってください。

日常生活のペースダウンと睡眠の確保が大切 (1)その日にすることの優先順位を決めて、全てをやろうとしない 仕事や家事を全力投球でなく70%(位)の力で行なう。また、そのことに対して「自分はこんな弱い人間ではないはずだ」と自己嫌悪に陥ったり、「さぼっている」「申し訳ない」などの罪悪感を抱かず、これは治療だ、と割り切る。 (2)こまめに休憩する 仕事や家事をしていて、疲労を感じ始めた時に抱く考えと行動を、「まだ頑張れる、もう少し頑張ろう、仕事の区切りまでやり終えてから休もう」ではなく、「疲労は休めという体の声、きつくなる前に休憩を取ろう」に切り変える。

日常生活のペースダウンと睡眠の確保が大切 (3)休息するときは、体を横にして目を閉じる 横になるだけで、立った姿勢や座った姿勢より、筋肉の緊張も交感神経の緊張もとれます。また目を閉じるだけでリラックスしたときの脳波が増えるからです。必ずしも眠る必要はありません。これらの点に注意して、実行可能な工夫をしてください。つまりあなたの体はオーバーヒートしているのですから、自分なりの省エネ運転術を見つけて実行してくださいと言うことです。 (4)この時期に心身を鍛えようとは考えないこと! ストレス性と診断されると、「鍛えなければ!」と考える人がいます。かぜの予防のためには乾布摩擦など、心身の鍛錬は有効です。しかし熱があって震えているときにすると逆効果であるのと同じです。鍛錬は病気が治って元気なときにするものです。

治療方法と併存症について

心因性発熱の治療方法

心因性発熱の治療は、(1)生活指導、(2)薬物療法、(3)自律訓練法などのリラクセーショントレーニング、(4)心理療法(5)併存症、つまりストレス性に生じている他の身体疾患、精神疾患の治療を組み合わせて行なわれます。

心因性発熱といっしょに起こりやすい病気

ストレスは心にも体にも多くの影響を与えます。したがってストレスで体調を壊す時、一つの病気だけでなく、複数の身体疾患、精神疾患が同時におこることがあります。心因性発熱患者さんでは、小児では起立性調節障害、成人では緊張型頭痛、気分障害(うつ病、そううつ病)、不安障害(パニック障害、PTSD)が併存していることが多いのです。
これらの併存症も同時に治療しないと、心因性発熱も治りにくいことがあります。特に精神疾患がある場合には、精神疾患の治療を同時に行なうか、むしろ精神科医にかかって精神疾患の治療を優先する方がよい場合があります。精神疾患が治らないとなかなか体温が下がらないことがありますが、精神疾患が良くなれば、自然に微熱も改善する人もいらっしゃいます。

監修者紹介

岡 孝和(九州大学大学院医学研究院 心身医学 准教授)
1996年九州大学大学院助手、1998-2002年ハーバード医科大学、2002年産業医科大学医学部講師、2008年より現職。

岡先生からのメッセージ

慢性的に過労状態が続くと微熱を生じる人がいます。また心理的なストレスによっても高い熱が出ることもあります。このような人は病院に行って検査を受けても異常がないといわれたり、解熱薬を飲んでも効かなかったりします。ストレスが原因で生じるこのような発熱についてお話します。

岡 孝和先生

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