低体温児が増えているこのページを印刷する

遊ばない子、落ち着きがない子、カーッとなる子---。体温を測ってみたら、体温異常の子が増えていました。

監修:前橋 明 (早稲田大学人間科学部 教授)

低体温児が増えている

近ごろ、保育園や幼稚園への登園後、遊ばずにじっとしている子や、集中力に欠け、落ち着きがない子、すぐにカーッとなる子が目につくようになりました。おかしいと思い、保育園に登園してきた5歳児の体温を測ってみますと、36℃未満の低体温の子、そして37.5℃近い高体温の子どもが増えていたのです。
調査によると、約3割の子どもが、低体温、高体温であることがわかりました。また人の体温は朝低く、午後から夕方にかけて高くなるという変動をくり返し、その変動幅は1℃以内が普通とされていますが、朝の2時間だけで1℃以上変動する子が12%近くいました。それとは逆に変動のない子も7.2%いました。

体温を調節するのは自律神経のはたらき

体温の異常が、子どもたちの体と心の問題を訴えています。

体温調節がうまくできないのは、自律神経の働きがうまく機能していないからではないかと考え、子どもたちの生活実態を調査してみました。すると、こんな生活習慣の乱れと睡眠リズムのずれが主な共通点として見られました。

・運動不足
・遅寝・睡眠不足
・朝食の欠食または不充分(排便のなさ)
・エアコンを使いすぎる環境・テレビ・ビデオ視聴やゲーム時間の増加

保護者の方からは「ちょっとできなかったりしただけで、子どもがカーッとなったり、物を投げるようになった」とか、先生方からは「イライラ、集中力の欠如で、対人関係に問題を生じたり、気力が感じられなくなったりしている」という話をうかがいました。生活リズムの乱れは、子どもたちの体を壊し、それが心の問題にまで影響しているのでしょう。生活のリズムが悪いと、それまで反射的に行われてきた体温調節ができにくくなっているものと思われます。
体温を調節するのは自律神経のはたらき

食事・運動・睡眠---生活のリズムを正常な姿に近づけることがポイントです。

起床、食事に始まり、活動(あそび・勉強など)、休憩、就寝にいたる生活行動を、私たちは毎日、周期的に行っており、そのリズムを生活リズムと呼んでいます。
生活リズムの乱れは、低体温の重要な原因と考えられます。
1日の生活リズムは睡眠・食事・運動の3つのサイクルで構成されていて、これらのうちの1つでも正常でない形になると生活リズムが乱れてしまいます。
自律神経をきたえ、低体温などの体温異常から脱け出すには、次のようなことを心がけ、生活リズムを正常な姿にしていくことがポイントとなります。

1. 体温がピークになる午後3時〜5時には努めて体を動かす。
2. 夕食をしっかり食べて、夜9時頃までには寝る。
3. 朝7時前には起きて朝食をとり、排便をする。

※ 運動については、低年齢の子供たちの場合、午前中のあそびだけでも生活のリズムは整いますが、年中児以降の場合、お昼には体力が回復するので、体温がピークになる午後3時〜5時には努めて体を動かすことが有効になってきます。
体温を調節するのは自律神経のはたらき

監修者紹介

前橋 明(早稲田大学人間科学部 教授)
1977年南オレゴン州立大学卒業。倉敷市立短期大学教授、米国バーモント大学客員教授・ノーウィッジ大学客員教授等を経て、2003年4月から現職。医学博士(岡山大学医学部)。

前橋先生からのメッセージ

「食べて、動いて、よく寝よう!!」
これが、生きる力の基盤となる自律神経を鍛え、体温調節のできる子どもを育む秘訣です。
子どもたちの心やふれあいを育てるためには、家庭における『食』を、自律神経を鍛え、生きる力を育むためには『運動』を、キレないで情緒や精神を安定させるためには『睡眠』を、生活の中で努めて大切にしていかねばならないのです。

前橋 明先生

体温と健康について、知識を深めましょう

体温は、ご家庭にある体温計で誰でも気軽に測れるもっとも身近な体調チェックの手段です。

検温方法

体温測定の方法

ワキ、口、耳について、体温を測るときの正しい方法をそれぞれ解説します。 検温方法

検温表

検温表

検温結果の記録に便利なチェックシートをダウンロードできます。 検温表

体温計入門

このページの先頭へ