発見!正しく体温を測れている人は少ない? 結果詳細・解説

公開日2021.08.30

※当コンテンツの内容は2021年7月時点の情報となります。

私たちの生活により身近になった体温。あなたは正しく計測できているでしょうか。
正しく測れていると思っていても実は正確に測定出来ていないケースも。自分の体温を正しく測って、日ごろの健康管理に役立てましょう。
監修:中村和弘(名古屋大学大学院医学系研究科 総合医学専攻 統合生理学分野 教授 薬学博士)

「平熱」に関する認識についてアンケート

自分の「平熱」を知っている人は97.6%。平熱の平均値は36.2℃という結果に。

Q. あなたは、ご自身の「平熱」を知っていますか。(ひとつだけ)

質問に対する回答結果は、図1の通りです。9割以上の方が平熱を知っていると回答。多かったのは「36.5℃」(19.3%)、次に「36.0℃」(13.3%)となりました。
平熱の平均値は、36.2℃となりました。
平熱35℃台という回答が16%あるのに対し、37℃以上は0.7%と少なく、日本人の体温の平均値36.89℃と比べて低い傾向がみられます。これは正しく体温を測れていない可能性があると考えられます。

図1 平熱の認識(n=1,400)

<中村先生のコメント>

10歳から50歳前後の健康な日本の男女3000人以上に対し、実測で30分測ったときの体温の平均値は、36.89℃±0.34℃(ワキ下検温)になります。また、全体のおよそ7割の人は36.6℃から37.2℃の範囲に入りますが、少しくらいこの範囲からずれていても、おかしくはありません。「平熱」には個人差があって当然なのです。むしろ、医学的に正しい測り方をすれば、37℃はむしろ平均的な平熱の範囲内だということがわかっています。

Q. 検温を習慣化されている方にお伺いします。あなたはいつも何時ごろに検温をしますか。(ひとつだけ)

検温の習慣のある方に、検温をする時間を伺った結果が図2です。
「早朝 6:00~8:59」と答えた人が49%と最も多くなりました。外出前の検温や、体温の記録の提出を求める企業や学校なども散見されるようになりました。そうした結果を反映しているのかもしれません。また「朝 9:00~11:59」の含めると66%もの人が朝の時間帯に検温をしていると分かります。
逆に「夜間(1)20:00~21:59」が25%とお休み前に検温している人も多いようです。

図2 検温時間(n=342)

<中村先生のコメント>

起床後、活動するにつれて体温は上昇します。活動の程度によって体温の上昇の大きさが変わりますので、昼間から夕方にかけての活動時間帯に検温すると日によって測定値がばらつくことがあります。起床後すぐに検温することによって、その日の健康状態を反映した体温を知ることができます。また、起床時、午前、午後、夜の計4回体温を定期的に測り、1日の平熱の変動リズムを知っておくことも有効です。その場合、食後すぐは体温が上がりますので、食前や食間に検温しましょう。

「微熱」と「発熱」についての認識

「微熱」判断、37.0℃が最多(52%)
「発熱」判断は、37.5℃が最多という結果に(43.4%)

Q. あなたは、体温が何℃以上になったら『微熱』・『発熱』と判断しますか。

ご自身の体温が何℃になったら「微熱」や「発熱」と思うのか回答していただいたところ、微熱は37.0℃(52.3%)、発熱は37.5℃(43.4%)が最も多い回答となりました。(図3)日本人の体温の平均値が36.89℃(ワキ下検温)と、37℃に近いことを考えると、日本人の平均体温が微熱に近い体温と考えられます。

図3 「微熱」「発熱」の判断基準(n=1,400)

<中村先生のコメント>

日本人が気にする「微熱」ですが、実は欧米にはありません。平熱が37.0℃を超える人がたくさんいるためです。日本人でも、特に若い人では、正確に検温すれば平熱で37.0℃を超える人がいます。健康状態を把握する上で大事なのは、平熱よりもどれだけ高いかということです。そのためには、普段から自分の平熱の範囲を把握しておくことが大切です。何℃以上を発熱とみなすかについての医学的な定義はありませんが、一般的には37.5℃以上を発熱と考えることが多いようです。

普段の検温方法のアンケート

正しく検温できているのは全体の44%にとどまりました。
あなたは正しく検温できていましたか。

Q. あなたのそれぞれの体温計の使い方(測り方)に最も近いものを選んでください。(ひとつだけ)

正しい検温方法は、棒状体温計を「斜め下から」入れる方法です。間違った検温方法をしている人が半数以上もいることが分かりました。(図4)

それでは、検温方法の正解を見てみましょう。

<棒状体温計の測定方法>

  • 1ワキのくぼみの中央に体温計の先端をあてます。(体温計の先を下から上にむけて、押し上げるようにはさみます。)
  • 2体温計が上半身に対し30度くらいになるようにしてワキをしっかり閉じます。ワキが密閉されるようにしっかり閉じ、ヒジをわき腹に密着させます。手のひらを上向きにすると、ワキがしまります。さらに体温計をはさんだ方のヒジをもう一方の手で軽く押さえます。
  • 3平衡温になるまで、水銀体温計や実測式の体温計は10 分以上、予測式なら電子音がなるまでじっとしていましょう。

※お持ちの体温計が棒状体温計ではない方は、こちらをご覧ください。
耳式体温計での検温方法
婦人体温計での検温方法
皮膚赤外線体温計(非接触体温計)での検温方法

調査概要はこちらから

監修者紹介

中村和弘

名古屋大学大学院医学系研究科 総合医学専攻 統合生理学分野 教授(薬学博士)

1997年京都大学薬学部卒業。2002年京都大学大学院薬学研究科博士後期課程修了。米国・オレゴン健康科学大学博士研究員、京都大学生命科学系キャリアパス形成ユニット准教授等を経て、2015年から現職。

中村先生
からのメッセージ
これほどまでに「体温」を意識する時代はこれまでになかったのではないでしょうか。新型コロナウイルス感染症に伴い、検温を習慣にする人も増えました。また、熱中症を予防するためにもこまめな検温は有効です。体温は健康状態を反映する重要なバロメーターで、とても簡単に測定できます。身長や体重、血液型を覚えているのと同じように自分の平熱の範囲を覚えておけば、身体の不調をすぐにとらえることができます。正確に検温するためのコツをつかんで、健康な生活に役立てましょう。
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