乳幼児の熱さましケアQ&A

公開日2021.08.30

※当コンテンツの内容は2021年7月時点の情報となります。

監修:草川功(聖路加国際病院 小児科 医長)

体は冷やしたほうがいいの? 温めたほうがいいの?

熱の出始めは寒気がするので温め、熱が上がりきったら涼しく

熱の出始めは寒気がするので、1枚多く着せたり、毛布でくるむなどして温めましょう。
熱が上がりきると、体がほてり汗をかくので、着ている服を薄手のものに替えるなどして調節します。体温を下げるためには、ぬるま湯で体を拭いてあげるのも効果があります。
熱が40℃以上あるときは、ワキの下、首の周り、足の付け根を冷やします。嫌がる場合は、冷凍庫などで冷やした大きめの保冷剤をタオルでくるみ、背中にあてて抱っこしてあげるのも効果があります。ただし、体に貼り付ける粘着タイプの冷却シートの場合、涼感はありますが、体温を下げる効果は期待できません。小さな子どもの場合は、鼻や口を圧迫し窒息する場合がありますので、使用には気をつけてください。
また、体温が42℃を超すと脳細胞はダメージを受けますので、この場合はとにかく冷やしたほうがよいでしょう。一方、38℃以下で強く冷却すると低体温になる可能性があります。とくに、解熱剤を使用しつつ冷却する場合は、冷やしすぎに注意し、小まめに体温測定をしましょう。

着るものや布団は厚いのと、薄いのとどちらがいいの?

厚着は熱がこもるのでよくありません

昔は熱があると厚着にさせたものですが、これは熱がこもるのでよくありません。熱があるときは、やや薄めの、着がえやすいものにしましょう。しかし、熱の上がり始めは寒がったり、手足が冷たくなったり、唇の色が悪くなったりしますので、その場合は掛け物をしてあげましょう。

お風呂には入れてもいいの?

体力を消耗するので、入浴は控えましょう

湯船につかると体力を消耗するので、入浴は控え、シャワーでさっと体を流す、あるいは、お湯で絞ったタオルで体を拭いてあげる等で対応しましょう。

食事はどんなものがいいの?

消化のよいものを選びましょう

脂分の多い食事は消化が悪いので、炭水化物や消化のよいたんぱく質を選びます。おかゆやうどん、フルーツ、ゼリーなどがおすすめです。

食べないときは、どうしましょう?

脱水を防ぐために、水分だけは十分に

食欲がないのなら、無理に食べさせないでください。ただ、脱水になるといけませんから、水分だけは十分にあげてください。できれば経口補水液などで、こまめに水分補給をしてください。ヨーグルトやアイスクリームなども、ある程度は食事代わりになります。

家庭で出来る経口補水液
※経口補水液は、水道水1Lに食塩1~2gと砂糖大さじ2~4杯(20~40g)を混ぜて簡易的につくることができます。
出典:日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2015」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/heatstroke2015.pdf

解熱剤(熱さまし)を使った方がいいの?

機嫌がよく、水分補給ができていれば、解熱剤は使わなくて大丈夫

解熱剤(熱さまし)を使う目的は、熱を下げるというよりも、 熱に伴う症状の緩和です。
子どもの機嫌がよく、水分が十分にとれているときは、無理に解熱剤を使う必要はありません。 体温が40℃くらいになると心配になりますが、高くても41℃くらいまでは、体の細胞への障害は少ないので様子をみましょう。
ぐったりして水分が十分にとれない場合などは、解熱剤を考慮します。 目安は38.5℃以上ですが、それ以下でも元気がないようなときは使って差しつかえありません。
病気の勢いが強いときは、解熱剤を使っても、あまり熱が下がらないことがあります。でも熱以外の症状がやわらげば、平熱レベルまで下がらなくても心配はいりません。

水分補給の注意点は?

冷たい水や、一度にたくさんの水を与えない

発熱時は、水分補給が大切です。熱によって汗が多く出ますし、さらに下痢や嘔吐を伴えば、、体は脱水状態になってしまいます。 水分を補給させる際は、下記の点に留意しましょう。

  • 一度にたくさん与えない
  • 飲み物を冷やしすぎない
  • 経口補水液などミネラルを含むドリンクを与える

かぜやインフルエンザなどで胃腸が弱っているときに、冷めたい水や、一度にたくさんの水を与えると、胃腸症状を悪化させてしまう恐れがあります。水分は、時間をかけて少しずつ与えるようにします。
また、ミネラルを含んだスポーツドリンクや経口補水液をとることで、体外に排出された塩分などを補給することが可能です。

監修者紹介

草川功

聖路加国際大学・聖路加国際病院 臨床教授・小児科医長

総合病院小児科新生児、東京医科大学八王子医療センター小児科、国立小児病院麻酔集中治療科、米国ピッツバーグ小児病院麻酔科・呼吸生理研究室、東京医科大学病院新生児部門を経て現職。公益法人全国保育サービス協会会長、実践女子大学生活科学部非常勤講師など兼任。

草川先生
からのメッセージ
体温は、体調管理の上で最も用いられる指標の一つです。非接触型の体温計、耳の鼓膜温を測定する体温計、そして、昔ながらの腋窩で測定する体温計など、体温計は種類が豊富で、その目的に合ったものを選べば、誰にでも簡単に子どもの体温測定ができます。そして、その数値の変化を見るだけで、子どもの体調の変化を客観的に知ることができます。
ただし、ちょっとしたことで変化しやすい子どもの体温は、その基本を知っていなければ、不正確な体温測定になってしまい、余計な心配ばかりが増えることにもなりかねません。体温についての正しい知識を持ち、正確に体温を測定する方法を身につけ、是非、お子さんの健康管理に役立ててください。
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