乳幼児の体温の測り方

公開日2021.08.30

※当コンテンツの内容は2021年7月時点の情報となります。

体温の測定方法は、測定する部位によって異なります。また、測定する部位によって温度は異なり、体温が高い順に「直腸」「鼓膜温(耳)」「舌下温(口中)」「腋窩温(ワキ)」となります。それぞれの部位で測定時間も異なるので、測定部位に応じて正しく測定することが大切です。
監修:草川功(聖路加国際病院 小児科 医長)

体温を測る前に

すべての体温計で言えることですが、授乳のあと、食べたり飲んだりしたあと、運動のあと、外出から戻ってきたあと、入浴したあとは、体温が高くなっている可能性があるので、30分間ほど待ってから体温を測りましょう。

どんな体温計を選べばいいの?

乳幼児専用の体温計が必要なのか、大人用で代用することができないかと思う方もいるかと思います。
代用はもちろんできるのですが、乳幼児専用の体温計は、素早く簡単に検温できるのが特徴です。乳幼児の体に合った構造をしていて検温しやすい工夫がされていますので、可能であれば、乳幼児専用の体温計で検温することをおすすめします。

「ワキ」での検温方法、注意点

<測る前の注意>

  • 授乳や食事、入浴、運動などをしたあとや、外出後の30分間は検温に適しませんので避けてください。
  • ワキの汗はしっかり拭きとります。濡らしたタオルで拭くと皮膚温を下げてしまうので、乾いたタオルなどで拭きとります。
  • 長時間布団に入っていたり、厚着をしていたりすると熱がこもりやすいので、注意しましょう。
  • ワキの中心と外側では体温が異なります。斜め上や横から体温計を差し込むのではなく、下に伸ばした腕に対して30~45度くらいの角度で、斜め下から差し込むと、ワキの中心に当てることができます。
  • ひじをワキ腹に密着させ、しっかり閉じることが大切です。大人が腕を軽く押さえてあげましょう。手のひらを上向きにするとワキがしまりやすいです。
  • 体温計が動いたり、当てている位置がずれないよう注意します。

<測定方法>

  • 1ワキのくぼみの中央に体温計の先端を当てます。
  • 2体温計が上半身に対し30度くらいの角度になるようにして、ワキをしっかり閉じます。
    赤ちゃんをひざにのせ、うしろから抱きかかえるようにして測定すると、ワキをしっかり閉じることができます。赤ちゃんが眠っている場合も、手で押さえてワキを閉じてあげましょう。
  • 3そのまま動かさないようにします。
    予測式体温計なら電子音が鳴るまで待ちます。
    水銀体温計や実測式体温計の場合は、10分以上たってから取り出します。

実測式と予測式
体温計の種類

「おでこ」での検温方法、皮膚赤外線体温計の注意点

<測る前の注意>

  • 測定環境について取扱説明書の注意事項をご確認ください。
  • 測定される人が、測定する直前まで測定される場所とは異なる気温の場所にいた場合、額の表面温度が測定場所の温度になじむまで測定場所でしばらく休憩してから測定してください。
  • 体温計が測定する直前まで測定される場所とは異なる温度の場所にあった場合、測定される室温に体温計を30分ほどなじませてから測定してください。
  • 額に風や直射日光があたっていたり、額が濡れていたりすると正しく測定できません。測定前に額の状態を確認してください。
  • 額の近くに手を添えたり、前髪やファンデーション等で額が覆われていたりするなど、額に何かがかかっている場合、測定センサーが額以外の温度を測定してしまう場合があります。体温計と額の間に何もない状態で測定してください。
  • 乳幼児の体温を測定する際は、測定される乳幼児が安静な状態であることを確認ください。また、早産児・低出生体重児の体温測定については医師の指示に従ってください。

<測定方法>

  • 1額の中心から説明書で示された距離をあけ、額に垂直・平行にして体温計を持ち検温します。
  • 2約1秒で測定が完了すると電子音が鳴り、測定結果が表示されます。
    ※距離センサーが搭載された体温計では、指定の距離まで近づくと自動で測定します。

※皮膚赤外線体温計(非接触体温計)について

皮膚赤外線体温計(非接触体温計)は、人の額の表面から放射される赤外線量を測定します。額と体温計が離れすぎていると、額以外の周囲からの赤外線をセンサーがとらえてしまうことがあります。
※表示された測定結果は、体温計によって口中もしくは腋下体温計に換算した値を表示します。お手元の体温計の表示をご確認ください。

「耳」での検温方法、耳式体温計の注意点

<測る前の注意>

  • 授乳や食事、入浴、運動などをしたあとや、外出後の30分間は検温に適しませんので避けてください。
  • 耳の中が汚れていると正確な測定ができないので、耳垢などはきれいに取りのぞいておきましょう。
  • 寝ている赤ちゃんを測るときは、耳を上に向けて(顔を横に向ける)、片手で頭を押さえ、動かないようにします。
  • じっとしていない子どもを測るときは、片手を頭の反対側に添え、動かないようにします。耳の奥をしっかり見てから、できるだけ深く差し込みます。体温計の測定部の長さが短いため、耳の奥まで入れても、鼓膜を傷つけてしまうことはありません。
  • 耳が小さくて入らないときは、耳の奥に向けて、入り口をぴったりふさぐようにします。

<測定方法>

  • 1専用のプローブカバーを付け電源を入れます。
  • 2しっかり耳に入れます(耳の奥(鼓膜)の方向に向けてできるだけ深く)。
  • 3スタートボタンを押します。スタートボタンを押すとき、体温計が動かないようにします。(ブザーが鳴ったら終了です)

※耳式体温計(耳赤外線体温計)について

  • 体の内部の温度を反映した「耳内温」を測ります。
    *「耳内温」とは、耳の中の鼓膜及びその周辺の温度のこと。体の内部の温度を反映し安定しています。
  • 耳式体温計は、耳の中から出ている赤外線をセンサーが瞬時に検出することで、耳内温をたった1秒で測ります。体からは体温に相応する赤外線が出ているので、赤外線の量を検出することで温度が測れます。
    *耳から出ている赤外線を検出するだけです。耳式体温計からは何も出してはいないので、耳への害はありません。

監修者紹介

草川功

聖路加国際大学・聖路加国際病院 臨床教授・小児科医長

総合病院小児科新生児、東京医科大学八王子医療センター小児科、国立小児病院麻酔集中治療科、米国ピッツバーグ小児病院麻酔科・呼吸生理研究室、東京医科大学病院新生児部門を経て現職。公益法人全国保育サービス協会会長、実践女子大学生活科学部非常勤講師など兼任。

草川先生
からのメッセージ
体温は、体調管理の上で最も用いられる指標の一つです。非接触型の体温計、耳の鼓膜温を測定する体温計、そして、昔ながらの腋窩で測定する体温計など、体温計は種類が豊富で、その目的に合ったものを選べば、誰にでも簡単に子どもの体温測定ができます。そして、その数値の変化を見るだけで、子どもの体調の変化を客観的に知ることができます。
ただし、ちょっとしたことで変化しやすい子どもの体温は、その基本を知っていなければ、不正確な体温測定になってしまい、余計な心配ばかりが増えることにもなりかねません。体温についての正しい知識を持ち、正確に体温を測定する方法を身につけ、是非、お子さんの健康管理に役立ててください。
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